Nao Fifteen love

美しく魅力的な文章の書き方をブログで実践中です

夏の名残り…

朝の光は

薔薇の花びらに

白い薄絹をそっと重ねる

露を含んだ輪郭は

まだ眠る空気の中で

ひとつひとつ静かに息をする

夏の名残をほどいた赤は

少しだけ深く

少しだけやわらかく

指先の記憶に寄り添うように咲く

風が通るたび

花の縁に滲む透明は

洗い立てのガラスのように澄み

胸の奥まで

ひんやりとやさしく届いてくる

そこにあるのは

声高な季節の終わりではなく

気づけばそっと傍らに立っている

薔薇はまだ

美しくひらいたまま

白い光の中で

静かに深みを増し

見つめる人の記憶を

そっとやわらかくほどいていく