ゆれる、たゆたう、ゆらめく波。
力強く押し寄せ、轟音と共に砕け散る。
白い泡が砂浜を覆い、春の冷たい波は歩道近くまで押し寄せる。
波のうねりは、まるで大地の鼓動のように感じられ、その迫力に心が震える。
引き波が砂をさらい、細かな砂粒をゆったりと沖まで運んでいく。
潮の香りが鼻をくすぐり、塩気を含んだ春風が頬を撫でる。
遠くに見える船の姿は儚い1枚の木の葉のように波間に見え隠れする。
海の広がりに、澄み渡る青空さえ、その主役の座を明け渡さざるを得ない。
青空はどこまでも続き、太陽の光が海面に反射してキラキラと輝く。
その光景は、まるで無限の宝石が散りばめられたかのようだ。
しかし、海の青さは、空の青さを凌駕し、視界いっぱいに広がる。
また来てしまった半日かけてこの海辺に。
この海は、その壮大なスケールで私を圧倒し、心に深い感動を刻んでゆく。