猛吹雪の山小屋。
窓の外では風がこだまし、雪で視界が遮られている。
中は暖かく穏やかな雰囲気だ。
凍ったリュック、登山靴、アイゼンが入り口付近にさり
げなく置かれ、その下には雪解けの小さな水たまりがある。
薪ストーブの炎がパチパチと音を立て、室内に柔らかな光を
放ち、有り難い暖房となっている。
近くの木のテーブルの上には、湯気の立つコーヒーカップが
置かれ、その香りが空気中に充満しているようだ。
素朴な木製の壁と家具が居心地の良い雰囲気を高めている。
厳寒の山あいに日が沈みかけている。
山小屋の唯一の音は風の音と薪が火に弾ける音
このリズムが寧ろ心地よい。
薪ストーブのゆらめく光。
掌のコーヒーカップの温もり。
白い息遣いとカップの湯気。
外の厳しい雪嵐の中の山小屋の不便さが寧ろ心地よい安らぎ…。